脈診や古典鍼灸・漢方の考え方のメモ
※お客さま、患者さま向けではありません。鍼灸、漢方、東洋医学の原書の理論的な話です。
※長年の疑問や方向性が見えた部分があるので文字にしようと思い立ちました。
※推察、考察、愚考なので専門の方が読まれた場合、温かくスルーしてください。
古典鍼灸の分野は膨大な資料から不変的な法則を見つけ出して現代に活かす事を目標とします。
経験則を蓄積して法則を明らかしていった分野なので現代でも通用する部分が必ずあります。
時代と共に煩雑化したり、偽物も混じっているので、科学的な視点で見ておかしな部分は切り捨てて良いでしょう。
現代医療からみて不可思議でも法則的に機能している部分は残すべきです。
メモ
人迎気口診についての是非は、李中梓先生の診家正眼の内容に根拠があると考え肯定しています。
李時珍先生も関前一部、関後一部は肯定的のように見えます。
記載は省略致します。
七表八裏九表 については枠組みと捉えて二十八脈を診るうえでの通過的な範疇かと考えます。
臨床の中で24脈をきっちり診れるほどの技術では私はないので
二十八脈を到達点としてすり合わせ出来たら良いなと思います。
○七表八裏九道 二十四脈 二十四節気
○十二経脈の循環
○両手寸関尺三部の脈診、人迎気口診
セットで内因、外因を弁別して、臓腑経絡の病を治療する一つのシステムであると
三因極一病証方論、脈論口訣から推測しています。
△七表八裏九道の数脈の分類についての疑問
脈論口訣 七表の脈、これ皆陽脈也、表というのは皮肉の病なり、大略風の病を意味する。
滑寿様の診家枢要でも陽脈、
李中梓様の診家正眼でも数脈は陽脈に別けられています。
三因極一病証方論の記述で心が高じると熱になると記述がありました。七情由来=内因
六淫の邪の全てが高じると数脈に繋がります。六淫由来=外因
関前一部 の人迎気口診 李中梓の診家正眼の中で左肝、右脾 との関わりが記述されています。
人迎気口診と七表八裏九道の枠組みがセットであると仮定すると
数脉は人迎気口診に向いてない、人迎気口で左右共に出やすい
内外相打などの言葉があるが 肝と脾胃の中焦の熱は混ざって波及しやすい
内因、外因共に数脈になる
等の推論から七表八裏九道の枠から外したと考えられないかと考えた。
三因極一病証方論では七表八裏九道 以外のところで数脈も説明の記載があり、
意図的に陽脈から外されたと考える方が自然だと考えます。
人迎気口診の、七表八裏九道 二十四脈 二十四節気の関わりを臨床の中で見つけるのが今後の課題でしょう。
滑寿様は診家枢要の中の脉陰陽類成で陰陽に分類して30脉上げています。
李時珍の奇経八脈考、頻湖脈学の二十七脈
李中梓様の診家正眼で二十八脈
時代を経て順番に参考にされて、それぞれが整理したり分別していると感じます。
二十四脈の枠組み 二十八脈の枠組み ではそれぞれ診る範囲、枠、少し基準が変わったと考えます。
・十二経、人迎気口診、二十四脈
・正経奇経、二十八脈
どの文献をより処にしたかで脈状の記載に差があるので同じ脈状について書かれていても注意が必要です。
・正経十二経、二十四脈と人迎気口診の関わり
・正経奇経含めた範囲の二十八脈診
李中梓様の診家正眼で『脈状は繁多にして、二十八字に尽きることはない(略)二十八字にも諸々の字義が含まれているが、二十四字の義さえ詳らかにせずしてはでうして二十八字の奥義に入り得よう?』抜粋
このの言葉通り。
二十八脈を到達点として地道に臨床を経験していくしか無いでしょう。
2023/06/01 修正
メモ書きにしたのは長年疑問で文献を読んでも意見が割れる部分です。
現在はボディーワーク、整体、などの勉強に出かけることが多いので鍼灸、古典分野は独学です。
昔、勉強に通った事を思い出し懐かしみながら、今は独立して個人で勉強して成長し、
それなりに自分独自の考察や意見を持てたことをありがたく思いメモに残します。
今回は李中梓様の診家正眼の文章に出会えた事が大きいかったです。
ありがとうございました。
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