昔に働いた所は、施術をマニプレーションと呼んだ。
略して、マニプレ。
これは、本来は操作する等を意味する。手技療法という意味がある。
お客さんがマッサージというと、マニプレですと訂正しなければならない徹底ぶりだった。
その鍼灸接骨院で、施術する場所(ツボ)を最初に練習した。
そこが少し押せる様になったら慣れた常連さんに入れてもらった。
常連さんは、満足する押すと効くツボの位置や癖があった。
探るという技術があって、押す方向や位置を調節して、1番辛い効く場所に当てる。
これを身につけながら常連を満足させる、新人ということで嫌がられない。それが修行だった。
人の身体を施術で探りながら、コミュニケーションをとるという基本がそこにあった。
これは良い経験だと思う。
ただそこは刺激量が強く常連さんはより施術で固くなっていた。
あの経験から強い施術は、人を固くすると強烈に実感した。
当時、先輩の指名の患者に入って押しても押しても何も効かず、全身から汗が噴き出し、真っ白になって気絶寸前まで押したことがある。
人はこんなに固くなるのか、効かなくなるんだと骨身にしみた。
当時は、その環境で強押し、強圧の殿堂みたいな場所なのでやるしかなかった。
そこはそれで成り立っていた。
全く良くなっているか解らない、客観的にみて良くなってなくても、それをやるしかなかった。
これは本当に意味があるのか?しかし、常連の中で満足や施術が決まっていてやるしかない。
そこが私の最初の場所だった。
時には、ただ穴を掘って埋めるだけの拷問のような感覚もあった。
人は何かをして、それが何にもなってないと精神がむしばまれる。
あまり意味がないとしって、それをやる。
人にとって身体に悪いのではないか?と思いながらそれやる。
精神が病む。
接骨院で従業員が病む、やめる理由にこれがある。
マッサージが身体に悪い、何もならないと感じると整体や矯正に走る。
この業界で矯正が横行するのは、そういう理由でマッサージ的な施術スタイルで治らないと思った人が多いからだ。
次の院や勉強する中で解ったことだが、
強圧一辺倒だったから良くないだけで、身体にとって適刺激を与える。
いろいろな場所や関連するところから、ほどくようにすると押してても、マッサージ的スタイルでも身体が良くなることが解った。
〇1番重要なのは、マッサージ機の様に作業的に決まった押し方をしないこと
〇刺激量や頻度を調節すること
〇身体の仕組みを使って緩めること、ただ機械的な刺激で緩めない
〇身体を押すコツや身体操作を自分も患者もする、お互いの負荷が減る
〇身体に合わせて施術して、患者の思考的な好みに合わせ過ぎない
パット思いつくだけでこれくらいかな。
身体が良くなっていく施術にはいろいろ必要なことがある。
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